たまきちの「真実とは私だ」

事件、歴史、国家の真実を追求しております。芸術エッセイの『ある幻想画家の手記』https://gensougaka.hatenablog.com/もやってます。メールはshufuku@kvp.biglobe.ne.jpです。

少子化の1番の原因は「好きでもない相手と結婚したくない」

今さらだが「異次元の少子化対策」って言葉にコーヒー噴いたのは私だけではあるまい。マンガのタイトルか。内容も妙。現在の少子化の1番の直接的原因は「非婚化」なのである。なるほど「子供の養育費をさしあげます」は的はずれという意味で「異次元の」対策かもしれない。

その非婚化だが、そうなったのは、「好きでもない相手と結婚したくない」という考えが当たり前になったからだと私は思う。つまり個の時代、個人の主張、好き嫌いが通る時代になったからだ。

正直、私でさえ、私より年上世代の「親の見つけてきた相手と結婚するのが普通」という話には子供の時からずっと驚かされてきた。いや、この「親の見つけてきた相手と結婚する」というのは今でもなくなってはいないのである。だから少子化はこれからまだまだ進行するはずである。もうこの「好きでもない相手と結婚したくない」は止められまい。結婚率と、野球人気、そして本の売れ行きは今までが良すぎたのである。

そもそも日本特有の、なんとか48か、47都道府県か知らないが、若者アイドル文化とか、アニメマンガ文化といった「結婚したくなるような」美女、美少女文化(もちろん美男文化もあり)、疑似恋愛文化、つまり性の文化を、クールジャパンとかいって悦に入って政府やNHKが率先して盛り上げているようでは(NHKは若者をNHKに向けさせるためにやってるようだが)、少子化対策などまさに笑止というものである。結婚もまた性の話であり、アイドル、オタク文化と同列にある、同次元で論じることが可能なものだからだ。

またその結果として、美男美女、高収入、高学歴という希少価値のものを景品(結婚相手の基準)として競争する社会に日本はなってしまっている。これだと勝ち組とやらは必然的に少数派になるから、いよいよ少婚化、つまり非婚化、少子化は仕方がない。競争社会は不可避的に少子化になるのだ。

日本より競争社会である韓国は日本より少子化及びルッキズムが進んでいる。また芸能人が妊娠・出産したらすぐニュースにするのも少子化対策のつもりなんだろうが、あれは勝ち組の勝ちを見せつけてるだけで、競争促進ならともかく少子化対策としては逆効果だと思う。

上級国民の人たちはみんな近視眼なのでこういった作用、反作用に自覚がない。上級国民というのは「好きでもない相手と結婚」してでも家系を残す、あるいは出世のために結婚すると思っている人たちばかりなので、少子化の根本原因などまったく死角になっているのだろう。だから有効な対策案が何も打てないのである。

そもそも個人の問題である結婚・出産に国が介入しようということ自体がナンセンスである。できる対策は「少子化が生む問題」への対策だけであって、「少子化」自体の対策は政府が何をやってもおそらくムダである。