この事故、もう1週間以上たつのに出てくるのは断片的な情報ばかりで、いまだ原因が発表されないので、少し思ったことを書かせていただく。
まず妙だと思うのは、見張員はさておき、運転士はまったく線路上の4人もの作業員(それも黄色い除草剤タンクを背負った作業員)に気づかなかったのかということだ。
この特急がこの駅に停車する前面展望はyoutubeで見れる。それによると接触地点に達する15秒前にはもう接触地点が見えている。この15秒間運転士はどこを見ていたのだろう? 接触地点80m手前の地点に列車見張り員がいたというが、この見張り員がまちがえて「進んでよし」の合図を出したにしても、運転士にはずっと前方が見えていたはずだ。スイカ割りじゃないんだから。
となると運転士がわき見をしていた可能性がある、ただしスマホの可能性はない。そもそも持ち込み不可だろうし、何よりこの特急はうしろの客席ラウンジから運転席が丸見えだからだ。では、駅停車のためにもっとも前方に集中している運転士をして、前方の人間に気づかせないほど、わき見をさせたものなど何かあるのか? 可能性としてはある。それは見張り員や、先にホームにあがった作業員が「止まれ、止まれ」(というつもり)でやっていた身振りである。それを運転士は「どうしたんだろう? 彼らは何を言いたいのだろう?」と見いってしまったのではなかろうか。それが正規の「赤旗を振っての止まれ」との合図ではなかったら、そうなる可能性はあろう。
なぜ正規の「止まれ」の合図が出なかったかについては次のようなことが考えられる。まず作業場づきの列車見張り員が、接触地点より80mも列車の来る方向へ離れていた。この見張り員は基本、作業場所からは離れないものらしい。それが離れたのは、300m向こうにいるはずの中継見張り員からの合図がないので、そろそろ特急が来る頃なのにと、カーブの向こうを見通せるところまで出向いてしまったからではないかということが一部では言われている。実際、中継見張り員が持ち場にいなかったことはニュースで発表されている。

しかしそのとき列車が来たのだ。見張り員は急いで作業員に「列車が来たぞ、退避せよ」と伝えなければならない。ところが80mも離れてしまっている。そこで走ってもとのところに戻ろうとした。しかし同時に列車は接近してくる。列車にも合図を送らなくてはならない。ここで、止まれの合図はめったに出さないのもあって(出すと、ダイヤを乱したということでペナルティとなるのが慣例という話も聞かれる)見張り員はパニックになり、作業員のいない位置で、手振りで止まれとの合図を運転士に送ったのではないか。あるいは間違えて「進んでよし」の黄色の旗で振ってしまった(黄色の通行可の旗は振るものではなくて差し出すだけのものらしい)。しかし作業をしていることを中継見張り員に教えられなかった運転士にはそれが何のしぐさかわからず、それを見いるだけになってしまった。そして次にホーム上でも作業員が何やら合図をしていたとしたら? またそっちに目が行ってしまうだろう。そして気がついたときには、もはや遅かった・・・ということではなかったろうか。(↙)
(↙)もし仮にこれが真相ならこれら現場の人たち、作業員、見張り員、運転士、誰かが悪いと決めつけるのは酷であろう。中継見張り員だって、急に倒れることだってあるのだし、そもそも運転士だって急に心臓発作で死んでしまうことだってありうるのだから。
専門的な安全体制の提案など素人が言うことではないので言わないが、ただひとつ、上記のことが真相かはともかく、すぐに横に逃げれるホーム外の部分でならともかく、逃げ場のないホーム下で運転営業時間中に作業をするのが根本的なあやまりではないかというのは強く思う。それともそういう社内ルールがあるのにやらせていたのだろうか・・・。