たまきちの「真実とは私だ」

事件、歴史、国家の真実を追求しております。芸術エッセイの『ある幻想画家の手記』https://gensougaka.hatenablog.com/もやってます。メールはshufuku@kvp.biglobe.ne.jpです。

日航123便はミサイルの近接爆発で垂直尾翼を失った

 1.123便垂直尾翼を破壊したのは近接爆発したミサイルである

1985年8月12日に起こった痛ましき日航123便の墜落については、公式見解である圧力隔壁の自壊ではなく、真の原因は、軍兵器の飛翔物体が空中衝突して垂直尾翼を破壊したのであり、その証拠を消すために最後、123便はミサイル攻撃で山間に墜落させられたのだという説が根強くある。これについてはたくさん本も出ているし、ネットでも多くの意見がみられるので、多くの人が周知であろう。
 
私もいくらか読ませてもらったが、公式見解はきわめて不可解である。下図がその公式見解の説明だ。異変が起こったのは羽田離陸12分後の高度7000mの高空。胴体尾部の圧力隔壁が自壊したことによって客室内(正確には与圧区画内)の空気が垂直尾翼の内側に吹き入り、その圧力によって垂直尾翼のほぼすべてが吹っ飛び、それによって123便は操縦不能となり迷走、群馬県の山中に墜落したというのである。
 

しかし妙なことに、高空での圧力隔壁の損壊があった場合に必ず起こる「客室内の急減圧」は、生存者の証言、およびボイスレコーダーによれば生じていないのだ。
 
高空飛行中に飛行機の外部ドア(これもいわば圧力隔壁)が開いて急減圧が客室にかかる事故は何度か起こっている。貨物室の搬入ドアが開いただけでも、上階の客室、操縦室まで、急減圧で暴風状態となり、物品は飛び、床がへこみ、鼓膜を壊されるほどの負圧がかかる。ましてや客室のドアがはずれたとなったら、シートベルトをしていない乗客は瞬時にそこから機外に放り出されてしまっている。(例:高度6700mで起こった1989年のユナイテッド航空811便貨物ドア脱落事故。貨物室ドアが脱落したために、急減圧で客室の床に穴があき、そこを通じて、シートベルトをしてなかった9人の乗客が機外に投げ出された)
 
これは小学校の理科レベルの話である。123便ではそのような急減圧は起こっていないのだから、垂直尾翼を内側から破壊するほどの大量の空気が客室内から瞬時に漏れたなどありえないと考えるのが自然、というか当然であろう。ということは、圧力隔壁の自壊などなかったのだ。当局は急減圧現象がなくても与圧空気漏れで垂直尾翼は破裂したのだ、あり得たことなのだと言い続けているようだが、専門用語と難解な計算式をうんざりするほど並べてわざと読めないようにしてるような説明書を出しているようでは、真の原因は知られたくないから隠していると勘繰られても仕方がないというものであろう。
 
では知られたくない真の原因とは何か? 垂直尾翼に爆弾が仕掛けられていたのでもない限り、原因は外から来たとしか考えられない。つまり別の飛行物体が、何か大きな力を123便垂直尾翼に加えたのである。
 
しかし何か飛行物体が「偶然に」垂直尾翼に衝突したとは考えにくい。なぜならちょっと考えればわかることだが、大空なる3次元で高速飛行する物体同士が「偶然」接触するなど、非常に可能性が低いからだ。
 
悲しむべきことに、旅客機同士の空中衝突事故は、歴史上幾度か起こっている。しかしこれは空路、飛ぶ高度というのが大体定められているために、管制塔からの指示が混線すると、同じ高さに飛んでしまったりするのが原因であることが多い。つまり要因があるのである。ならば、何か飛行物体が123便にぶつかったというなら、「要因」のあるものでなくてはならない。つまり、ぶつかってしまうだけの理由がある、言い換えれば、両者の距離をゼロとする蓋然性があった飛行物体ということである
 
ならば何より真っ先に思い浮かぶのはミサイルだ。なぜならミサイルには、両者の距離をゼロとする装置、つまり目標誘導装置がついているからである。目標誘導装置がついてないミサイルでも、それは目標に向けて発射されるものだからである。
 
この事件の頃はちょうどミサイル自身が誘導電波を発して目標となる飛行物体を追跡するアクティヴ・レーダー・ミサイルが開発されていたときである。それまではセミアクティヴ・レーダー方式といって、誘導電波は地上施設か、艦船から発されており、ミサイルには電波受信器と追跡装置だけがついていた。ミサイルに搭載できるほど小さな追跡用電波発信装置はまだ開発できてなかったからだ。
 
ミサイルなんか命中したらその時点でどんな飛行機でも粉々だろ、と思われるかもしれないが、実際は簡単にそうならない。なぜなら高速の飛翔物体に、より高速の小さな飛翔物体を3次元で直撃させるのは、誘導システムをもってしても困難で、実際の対空ミサイルは、目標に近づいたら近接信管で爆発させて相手にダメージを与えるという方法をとっているものがほとんどだからだ。そうしないと直撃しなかったミサイルは全部標的を通り過ぎて無駄になってしまう。近接爆発させるほうがいいわけだ。しかし近接爆発することができたならこれで一応「命中」なので、「命中」イコール撃墜とも限らないわけである。
 
『目標誘導(追尾)装置』と『近接信管』とは混同しないようにしていただきたい。近接信管は文字通り、目標(というか物体)に近づいたらミサイル、あるいは砲弾自身が発信する電波の返りで起爆する装置であり、追尾機能はなく、第2次世界大戦後半にはすでに開発されていたものである。それができるまでは、数をそろえて弾幕射撃のできる機関銃はさておき、高射砲は、発射後コンマ数秒、ある高さに達したところで砲弾を爆発させる時限信管を使ったものがほとんどで、飛行機を直撃して落とすものではなかった。そこで砲弾自体が電波を発して敵機を感知し、近づいたところで爆発させる近接信管――有名なアメリカのVT信管などが第2次世界大戦の後半に発明された。VT信管の開発には全米の3%にあたる物理学者が動員されたという。湾岸戦争で有名になったパトリオットミサイルなども、湾岸戦争まではこの近接爆発による破片弾頭攻撃の方式だった。
 
ゆえに、123便垂直尾翼を破壊した物、それ自体は、123便のうしろから発射され、その尾翼うしろ近くで近接爆発したミサイルである可能性が高い。近接信管の作動か、すでに遅かったわけだが危険を察知したミサイル発射者の自爆指示かのどちらかの理由で爆発したのだろう。(演習か、試験だったのなら、装薬の量は抑えられていた可能性はある)
 

 

ミサイルの近接爆発――これは、ボイスレコーダーや生存者の方の証言とも合致している。ボイスレコーダーによれば、ことのすべては、離陸12分後の相模湾上空高度7000m、約1秒ずれた2つの衝撃音から始まっている。2番目の音のほうは「メキメキ」あるいは「ベリベリ」といった何か大きなものがへしゃげるような音なので、これは垂直尾翼がもぎとられた音でほぼ間違いないと思われるが、肝心の最初の音――それは衝突音というより、もっとするどく、擬音で言えば「バヒューン」という感じで、爆発音のようなのである。
 
この衝撃音が発生したとき、機長のかたは「まずい。何か爆発したぞ」と叫んでいる。この機長のかたは元航空自衛隊パイロットなので衝突音と爆発音の区別など反射的につくのではあるまいか。ほぼ最後尾に座っていた生存者のかた(この方は日航の非番の搭乗員さん、昔風に言えばスチュワーデスさん)も、「バン」ではなく、「パーン」という高めのするどい音、耳を押さえたくなるような、すごく響く音、テレビドラマで刑事が拳銃を撃つような音が、背後上方から聞こえたと証言している。実際、最初の音はそのような音に聞こえる(なおこの音が発生する前触れは何もなかったとのことである。これだけでも圧力隔壁自壊説がウソであることが分かる)。
 
擬音表現には個人差があるが、「バンでなく高めのパーンという鋭い音」というのは資料性のある表現といえる。言うまでもなく拳銃も火薬を「爆発」させて発射するものだ。「大空のサムライ」などの著書で有名な零戦パイロット坂井三郎氏も、飛行中はエンジンとプロペラ音でほとんど何も聞こえないが、機関銃の射撃音だけは自機のものも敵機のものもはっきり聞こえると言っている。本土上空の空中戦でも高度7000mでの機関銃発射音は地上で聞こえたというほどである。それだけ火薬の爆発音というのはよく響くのだ。事実、この音は地上でも聞かれており、伊豆半島東岸の住民のかたが「ドーン」という爆発音のようなものを聞いたと証言している。
 
それに、もし垂直尾翼が内側からの空気圧により破裂したのなら、それこそ「バン」という金属板の振動音によるにぶい音になるのではないか。もっともそれ以前に、垂直尾翼は気密構造ではなく、外気と内部の空気圧が常に同じになるよう空気の抜ける構造になっているのだから、仮に内部に気圧が一気にかかったところで破裂するなんて思えない。せいぜい一角がやぶれ、そこから内部圧の空気はぬけて終わるだけだろう。
 
そもそも圧力隔壁から与圧空気が胴体尾部に漏れたところで一気に垂直尾翼に入るのかと言う話もある。ボーイング747垂直尾翼は、胴体と一体構造ではなく(つまりお互いの内部はがらんどうで通じているのではなく)、ユニット構造といい、プラモデルのようにあとから取り付けているのである。日本乗員組合連絡会議による事故調査委員会への反論文書によれば、胴体側の垂直尾翼取りつけ面は、胴体の外板がそのまま張られており、そこには点検マンホールと操作用配管のため以外の孔はあいていない。(下写真は同サイトより抜粋させていただきました。「点検用マンホール」と矢印されている穴の上に垂直尾翼ユニットが乗っかるわけである)
 

 

これでは与圧空気が一気に垂直尾翼内に入るとも思えないし、よし破裂させるほどの強い与圧空気が圧力隔壁からもれたとしても、まず吹っ飛んでしまうのは胴体尾部突端の補助エンジンのはずで、そして補助エンジンがとれたなら(実際とれている)、もう胴体尾部は外気にスケスケなわけだから、垂直尾翼内に与圧空気が入るわけがない。それを日本乗員組合連絡会議は言っているわけで、この反論のほうがもっともなのである。大きな孔があいているのは事故調査委員会の見解のほうこそと言うべきだろう。
 
しかし、ちまたの飛翔物体衝突説では、近接爆発のミサイルではなく、軍事演習用の無人標的機が垂直尾翼に衝突したのではないかという説が主流なようだ。しかし無人標的機はレーダーでその位置、動きを確認しながら、地上からリモートコントロールするのであり、飛んでいる飛行機に対してはわざとぶつけることすら至難であると思われる。よしぶつかったのだとしても、鋭いパーンという音にはならないだろう。垂直尾翼の真横から当たったなら(ほとんど考えられないが)多少音は鋭くなるかもしれないが、それでも、7000mも下の地上まで聞こえるような鋭い音になるなんて思えない。翼幅7㎝のジャンボジェット機の模型が、高さ10mのところに飛んでいるところをイメージしてみていただきたい。この場合、高さ1㎝か2㎝そこらの垂直尾翼に1㎝程度の無人標的機がぶつかって(あるいは内部からの空気圧で垂直尾翼が破裂したとして)10m下にいる身長2.5㎜の人間に聞こえるであろうか? しかし癇癪玉がそこで破裂したなら聞こえるだろう。
 
さらに、ミサイルの近接爆発があったと思われる証拠が今一つある。それは『日航123便 墜落の新事実』(青山透子著、河出文庫)という本に書かれた、静岡県藤枝市で超低空飛行をしている123便を見た女性の証言で(日没の7分ほど前)、それによると、123便の胴体の後方左下部、荷物室扉に近い部分に、4,5メートルほどもある赤かオレンジ色の円筒形、あるいは楕円形に見えるものがべったりとくっついているように見えたというものである。最初は火事かと思ったとのことで、証言者のかたも正確にどのような状態になってるかまでの把握はできておられないのだが、胴体のおなか側の話では、垂直尾翼への兵器衝突説を支持する者の捏造証言とは考えにくいし、ベッタリ赤い物が絆創膏のように張り付いていたように見えたというのだから作り話としては突拍子もなさすぎで、目撃されたこと自体は真実と見てさしつかえないかと思う。
 
では、これは何であったかというと、ミサイルの爆風により、日航機の機体腹側のグレーの塗装が剥げて銀色のジュラルミン外板(上記の写真ではプライマーをかけているのか赤銅色に近いが)がむき出しになり、それが夕日に映えてオレンジ色に見えたということではなかろうか?
 

 

同証言によれば、最初、垂直尾翼がギザギザしていたのでそれが煙に見え、その火元が腹部の「赤い色」かと思ったということである。証言者の方は「夕日が映っているようでもなく」と述べているが、ここだけジュラルミン地肌がむきだしになって鏡のようになっているとは思わなかっただけではないか。これも青山透子氏の『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』(河出書房新社)という本からの抜粋だが、フライトデータレコーダーを解析したところによれば、やはり異常外力が123便垂直尾翼にはたらいたということで、しかもこの外力は左側から来たのだという(同書93頁)。これがミサイルの至近爆発のしわざなら、胴体の「左」側のどこかに痕跡が残ることは当然ありえよう。この地点では123便はほぼ真北に向かって飛行しているので、当然夕日は機体の左側を照らしている。同証言によれば123便は右斜めに傾いていたというので、なお胴体のハラを太陽に向けていた。すべて辻褄があう。
 
さらにこの証言によれば、123便をファントム機2機が追いかけていったという。このファントム機がまた謎なのだ。123便を2機の飛行機が追いかけていたというのは墜落地点の群馬県含めたくさんの証言があるのでまず事実だったと考えていいと思うが、この地点では異常事態発生のわずか11分後に目撃されているのだ。航空自衛隊基地からのスクランブル発進だったにしても早すぎるのである。ならばこれがミサイルを発射した張本人だったのではないか。
 
なお、この時刻、相模湾護衛艦「まつゆき」が試験航海中だったために「まつゆき」からミサイルが発射された説も言われているが、それなら「まつゆき」に乗っていた人間は、ミサイルが発射されたことを全員が知っているだろうから、その誰しもが「あのミサイルが日航機に当たったのではないか」と疑うであろう。そこまで良心にふたをする箝口令が徹底できてるとは、ちょっと信じがたい。ただミサイルが航空機から発射されたものであり、上述のセミアクティヴ誘導のための電波をまつゆきが123便方向に発していた可能性は考えられる。
 
どちらにせよ、この123便を追いかけるファントム機について、自衛隊が何も言及していないのは不可解である。自衛隊スクランブル発進は123便墜落の後だと言っているのだ。
 
ともあれ、ミサイルの近接爆発が真の原因なら、次には軍が、なんで羽田近くの民間航路区域でこんな危険なことをしていたのかという疑問が出る。この場合、むしろこう考えた方が納得がいく。それは、軍隊の方が民間機を勝手に利用したというものだ。
 
自衛隊機と全日空機が空中衝突した71年の雫石衝突事故なども、自衛隊機が全日空機の航路上に乗ってしまったために追突した(された)もので、そうなった原因は、自衛隊機が民間機を勝手に演習に利用したためだと一部ではささやかれている。飛行機が飛行機を攻撃するにはその真後ろにつく、すなわち相手と同じ飛行線上に乗るというのが定石だからである。つまりこれが雫石事故における『両者の距離のゼロになった蓋然性』と考えられるというわけだが、航空機に限らず、艦船などに対しても、照準ロックオンとか、軍が勝手に民間機、民間船を演習に利用するということはよくあるのだという指摘もよく耳にする。沖縄上空で、ニアミスと思えるくらい米軍機が接近してきたという話もよく聞く。ならば、最初から123便を敵の大型爆撃機と仮定して利用した可能性もあろう。するとミサイルの誤発射だったのか、それとももっと早くに自爆させるつもりが、ということだったのか、それとも演習、実験だったので弾頭に炸薬はわずかしか入れられてなかったにもかかわらず(あるいは自爆する分量だけ)、思った以上の破壊を招いてしまったということなのか。それとも最初から撃墜するつもりだったのか……。
 
一部では、アメリカのIBM社のライバルたる日本人技術者集団がこの123便には乗っており、それで米軍に撃墜されたということも言われている。だから圧力隔壁に一度修理がなされたこの747に乗ったときが選ばれた。そうしてアメリカはのちWindowsでパソコンの世界シェアを掌握することができたというのだ。これまた突拍子もない説に見えるが、正直、私は、圧力隔壁自壊説とちがい、これに反論する材料が「いくらなんでも」という感想以外にないので、保留せざるをえない。つまり、「最初から撃墜するつもりだった」可能性も考えられるということである。
 
どちらにせよ、ここらは人間のやること、あるいはヒューマン・エラーとしていくらでもありうる、考えられることであろうからこの辺でやめておきたい。
 
ただ物質的な話、相模湾上空で123便垂直尾翼を破壊したのが、至近位置で爆発(破裂)したミサイルだということだけは、ほぼ間違いないと思う。
 
 
2.自衛隊の不始末隠蔽説の理解しがたいこと
 
ちまたの『軍事飛行物体による垂直尾翼破壊説』では全体の経緯は次のように推測されているようだ。
 
123便に何か飛行物体をあててしまった自衛隊は、123便がどのような状態になったか確認するためにファントム機2機にスクランブルをかけて追わせた。そこで123便垂直尾翼が消失していることを知る。そこには証拠である飛行物体の断片も付着していた。このことがばれたら大変なことになる。そこで123便を乗客乗員もろとも粉々にしてしまおうと企図し、123便が必死の操縦で目指していた横田米軍基地への着陸を妨害し、群馬県の山間部のレタス畑に不時着するよう誘導した。実はこの場所は、自衛隊の特殊部隊の訓練場に近いのであった。そしてその場所に来た時、別のスクランブル発進機が、空対空ミサイルを発射し123便を撃墜した。(これは赤外線誘導でエンジンに直撃が可能だったと思われる。またこの場合パイロットは123便北朝鮮ソ連の大型爆撃機だということで撃墜命令を受けていた可能性がある)。123便の墜落位置は、偶然近くを飛行中だった米軍ヘリからの報告が米軍経由で日本政府にも入っていたはずだから最低でも墜落1時間後には分かっていたはずなのに、政府はその後、墜落場所を10時間も「特定できず」と報道したのみならず(もし本当だとしても10時間ってどれだけ無能なんだ?)、テレビのニュース速報にて「待機命令を無視して救助に行こうとした隊員を射殺」というデマニュースまで流して一般隊員にも足止めをかけ、その間に特殊部隊に飛行物体とミサイルの断片の回収と、生存者の毒ガスによる殺戮、および火炎放射器による証拠隠滅を行わせた。遺体は不思議なほど異常に焼けていたのだ。(もしそうなら多くの遺書もそのときに焼かれたであろう)。そして当初は男児含め7人と新聞でも発表された生存者は、何の説明もないまま、いつの間にか女性だけの4人に修正された……。
 
大体以上である。そこに自衛隊の特殊部隊の訓練地があるのかよく分からない話もあるが、墜落地点に近い妙義山のあたりが戦後、米軍の訓練場になるという話が出て地元民の反対運動があったことなど、私は何かの本で読んだことがある。
 
上記の説ではっきり変だと断言できるのは、生存者の数が変わったことだろう。男児含めた3人はどこに行ったのだろうか? 男の子は顔こそ出てないが救助されたところの写真まで新聞に出ていたのだ。私はこれに関する説明を何も聞いたことがない。
 
遺体の多くが異常なほど焼けていたというのも不思議な話だ。航空燃料が可燃物なのは当然のことだが、それほど遺体が焼けたということは燃料は十分に残っていたということであり、よし操縦不能になったのだとしても、もっと飛行は続けられていたはずだからである。
 
燃料に関してはもうひとつ不思議なことがある。747のような大型旅客機が国内線を飛ぶときは無駄に全体重量を増やして燃費が悪くならないように満タンにせず、主翼内タンクだけを使い、中央の胴体をまたぐセンタータンクは使わないようになっている。
 

 
これは、逆にセンタータンクにだけ燃料を入れると、胴体が重くなって揚力を生む主翼と胴体の結合部分に負担(剪断力)がかかってしまうためである。国際線で満タンにする場合もセンタータンクから使っていき、そのあと両翼のタンクを使う。つまり123便の墜落時に残っていた燃料は両翼内部にあったはずなのである。しかし墜落地点での延焼範囲はふしぎなことに、前部胴体の散らばったところ(つまり乗客がいたところ)が中心になっているのである。

 
ちなみに私も知っている人がひとりこの墜落でなくなっているが、やはり遺体は黒焦げで、ご家族が生前に故人の手形をとっていたためになんとか特定できたということであった。なお生存者は皆、後部胴体のところ(上図の左上)で発見されている。
 
また、現在youtubeなどで聞けるボイスレコーダーがカットされているものであることも、真相は公式見解とは異なるのではないかという疑いを強める材料となっている。乗員のプライバシーに差し障る部分はカットしているのだという話も聞いたことがあるが、垂直尾翼を失ってから墜落するまでの32分間、乗組員は何とかしようとただそれだけに必死だった。プライバシーにかかわるとしてカットしなければならないような会話が交わされていたなんてとても思えない。現在ボイスレコーダーの全録音の公開を求める運動が遺族の方たちによって行われているが、当局はボイスレコーダーを細工、でっちあげれる音声編集技術が確立するまで時間稼ぎをしているとも一部ではささやかれている。
 
あと、相模湾海底に眠る123便垂直尾翼が、引き揚げ可能の深さにありながら引き揚げて調査されないのも納得がいかない話である。むしろ疑われている内圧による破裂を証明する絶好のものではないか。520もの命が失われたのだから引き揚げて墜落理由を確定してしかるべきだと思うのだが。
 
さらに、仮に墜落場所がすぐに特定できなくても、群馬県と長野県の県境近くに墜落したということは推測できたのだから、即急にとにかく墜落地点探索を兼ねての空からの救助隊を出すべきだったのではないのかという疑義に対し、当局側が「夜間に山間に降下するのは二次災害の恐れがある」として決行しなかったと言ったというのも驚かせる。救助隊の方がケガしちゃうから明るくなるまで待ったというのだ。(というか、朝まで墜落位置は分からなかったんじゃないのか?)墜落地点に近い群馬県上野村消防団の人たちが「地元のわれわれなら夜間でも墜落地点まで行ける。すぐに救出活動に入るべきだ」と主張したのに、自衛隊に止められたという話もある。
 
しかし自衛隊の不始末隠蔽説についても、私にはひっかかることがいくつかある。
 
ひとつは、自衛隊の(私は自衛隊が真犯人とは断言できないので上記ではずっと、軍事飛行物体という表現を使った)判断、行動が早すぎることである。今言ったように、123便垂直尾翼を失ってから墜落するまでは、わずか32分間のできごとである。この間にこれだけの確認と準備、実行をしたとは、何につけ判断、行動開始でもたもたする日本のお上にしては異常な素早さだ。自衛隊機は24時間スクランブル待機しているのですぐに発進できるらしいが、それにしても出現が早すぎるし、特殊部隊の訓練場所に近いところを不時着指定して誘導し、証拠隠滅を狙うというのは、とっさの判断としては悪魔がかっている。もっとも短い時間しかなかったから、このような思い切り過ぎた異常な判断しかできなかったということなのかもしれず、むしろ当局が隠したかったのは、123便垂直尾翼を誤って破壊したことではなく、その後のあわてふためいてやってしまった「撃墜」という処置のほうだったということなのかもしれない。
 
次に123便を目撃した者が少なすぎる気がすることである。上述の藤枝市での女性の証言によれば、123便は少なくとも藤枝市付近では、低空飛行になっているのだが事故調査委員会の公式発表ではもっと高空を飛んでいたことになっている)、これはもっとたくさんの目撃者がいてもいい気がする。もちろんいないことはないのだが少ない。写真が撮られていてもおかしくないと思うのだが。しかし、件の女性も「見てはならないものを見てしまったような気がして」ということでなかば無意識に記憶から遠ざけ、30年も過ぎてから証言しているので、多くの人が半ば無意識に忘れようとしている、口をつぐんでいるということなのかもしれない。あるいは、ほぼ薄暮に近かったので、123便の外見の異常に気づいた人は少なかったのかもしれない。
 
また、管制当局のレーダー監視者などもファントム機の存在をレーダーで知っていたはずになるが、そこらからの証言もないのも変な話である。これは同じ穴の狢かもしれないし、やはり怖くて言えないのかもしれないし、もしかしたらすでに……。ともあれ、日航の整備マネージャーなど、いくらかの関係者が死に追い込まれたのは事実である。
 
また、闇夜の迫った人里遠い山間部とはいえ、誰が見ているかもしれないのに、よくミサイルなど発射させたなということがある。でもこれは、「飛行機が飛んで行ったあとから、流れ星のようなものが飛んでいくのが見えた」「飛行機が追いかけっこしてた」という目撃証言(この証言は当時の新聞に載った)があるので足がついているというべきか。あと飛行機が「火を噴いて」落ちていくのもたくさんの人に目撃されている。垂直尾翼の消失による操縦不能が墜落原因なら、火を噴く道理はあるまい。というか、これらはかなり決定的な証言ではなかろうか。
 
しかし私にとって何より理解しがたいのは、こんな行為をお上が本当に命令した、特殊部隊とはいえ実行した、ということだ。想像もつかない。「日本のお上は国民なんて国に奉仕すべき使い捨てロボットくらいにしか見ていない」などという発言をこのブログではばからずにしている私でさえそう思うのである。こんなことを同国人が同国人にできるなんて思えない(他国人でもやってはいけないが)。いくら日本人が組織優先主義だとはいえ、ここまでの大非道を犯して、自分たちの組織を守るなど信じられないのだ。実行した隊員たちにしてもそうだ。命令通りやるのが軍隊かもしれないが、こんな命令を実行したら、そのうち口封じに命を奪われかねないのだ。私は見てない資料なのだが、自衛隊員の自殺者公表数はこの墜落の翌年で異常に跳ねあがっているという。しかもこの年から5年前にさかのぼって突然自殺者数を発表するようになったのだという。それはこの事件に関係した多くの隊員の死、つまり口封じの抹殺を自殺と見せかけるためだと一部では言われている。
 
なるほど実は私の見方が甘いのかもしれない。私などが思っている以上に、日本のお上や組織至上主義者たちは非情非道、理解しがたい精神構造をしているのかもしれない。あるいは前述のように、単に(単に、で済ましてはいけないが)即座の対応に慌てたため、ここまでひどいことをやらかしてしまったのかもしれない。しかし、ミサイルは他国のものだったということも考えられないことではない。日本には米軍が駐屯しているのだから。むしろその場合の方が、ここまでやるのはありうることといえるだろう。ミサイルを当てたのが米軍だと日本国民が知ったらどうなるか考えてみていただきたい。真相はどんな手を使ってでも秘匿されなければならないと日本政府が考えても、「非道ではある」が、「不思議ではなくなる」のである。もっとも、だから米軍機がミサイルを撃ったとまでは言うつもりはない。ただその可能性はあるということだ。
 
以上、長々と書かせてもらったが、私の印象では、この日航123便墜落、関心のない人たちはともかく、興味を持った方のほとんどが(兵器説は陰謀論だと喚いている人も含めて)、国の公式見解である「圧力隔壁自壊説」はウソであり、真相は別にあることに気づいているように思われる。ただ「それが真相だ!」と思わず口を手にやってしまうような仮説が出てないのと(上述したが無人標的機が垂直尾翼に当たったというのは無理がありすぎる)、お上は必死に隠そうとしているようだし、なんだか真相をあばくと、かえってまずい事態になるんじゃないか、触らぬ神に祟りなしという日本人的な何となくの忖度とで、真相追及に積極的にならない、うっちゃってるだけのように思える。そしてネットには、公式見解以外の原因を「陰謀論」のひとことで片づけるオピニオン・スウィーパーとでもいうべき者があきらかに配されている。
 
しかし私はこの墜落、いずれ真相が分かると思っている。もうすぐ関係者も鬼籍に入るのもあるが、アメリカは50年たてば情報を公開する法律があるし、正直なところ事態は、消去法と帰納法で考えればそんなに難しい話ではないと思うからだ。